これは国際学会で発表したスライドを日本語に翻訳したものです。左上のスライドは、耳鳴りの説明を分かりやすい視覚で説明します。蛇を見た時、視覚脳(4)に情報が行きますが、脳に経由しないで、直接(1)不安や恐怖を感じるアーモンドの偏桃体(3)にも行き、記憶されている(2)蛇と一致したときパニックになります。耳鳴りも日本語翻訳機のある脳に記憶されていて(2)、それが不安をあおります(3)。そういう方が重症な方です。そうならない内に、治療をしなければなりません。右は、一時間の治療中のリラックスしている時のアルファー波の割合を見たものです。リラックスの上手い割合が高い人が治療後すぐに耳鳴りの軽減を経験できます。リラックスとは、左下にあるように、治療中眠られたら改善できるのです。このように耳鳴りの改善はすごく簡単です。
耳鳴り改善には、耳鳴りが気になる時間が少なくなり(左上)、かつ、集中力を高めないと脳での抑制が出てきません(右上)。そのために、当院の治療により睡眠が改善された方が軽減します(左上)。睡眠は体温と密接に関係し(左下)、寝る直前に体温が高くならねばなりません。こうした体温の正常な変動を引き出すのが、当院の心身医学療法です(右下)。
血流改善を目的とする心身医学療法は、いわゆるメニエール病にも効果があります。メニエール病は、ストレス等で内耳の浮腫みで難聴・眩暈が起きますが、内耳の血流改善で浮腫みが取れます。最初に治療直後に耳閉感と眩暈感、次いで音の響き、さらに耳鳴りが改善し、遅れて聞こえがよくなります。さらに治療により、睡眠が改善した方が、発作が遠のくのです。